2006-07-17から1日間の記事一覧

あとがき:日本近代における女性

先日、あかねで渋谷知美のトークショーがあったのだけれども、渋谷知美の著書「日本の童貞」で、例えば、ダメ連の言説への批判で、女性の話だとすぐ女の敵は女、と言うのに、男の敵は男とは言わない、人間の性と言う、という言葉等が印象に残った。女の敵は…

文学とは二番以下は不要な激しいものであるべきだ

江國の出世作である、恋人がいるゲイの夫とアル中の妻の物語「きらきらひかる」に江國が「シンプルな恋愛小説です」とコメントしたのは、韜晦ではなかったろう。現代の日本でシンプルな恋愛を描くのにゲイの夫とアル中の妻という筋立てが必要だったのだ。 例…

江國香織の『赤い長靴』を読む

マイミクに薦められて、江國香織の『赤い長靴』を読んだ。『赤い長靴』は、結婚十年目のごくありふれた夫婦の物語だ。 『日和子が「ほんとうのこと」に取りつかれた最初の日々。 あのころ、日和子は逍三の顔を見れば「ほんとうのこと」をぶつけ、また、聞き…