2006-07-13から1日間の記事一覧
以前、文芸評論家絓秀実が、国民作家として島崎藤村と田山花袋を挙げ、日露戦争後の時代に、藤村の部落差別の「破戒」と花袋の女性差別の「布団」が書かれたとレクチャーで語った。私は、その話を受けて、日本近代の始まりに、部落差別と女性差別が、国民を…
中村真一郎が「幕末、日本の文化は爛熟していた。漢詩の世界には、同時代19世紀後半フランス象徴派の詩のレベルの成熟があり、都会の知識人は恋愛や性の自由を謳歌していた。明治になって田舎者の文学者、島崎藤村だの田山花袋だのが、都会的な成熟した自由…
日本文化の歴史において、外来の強力な文化の流入による最初の大きな断絶が7世紀にあり、その衝撃が万葉集から源氏物語に至る日本文学の最初の豊穣をもたらした。 二番目の大きな断絶は明治維新を契機とした西欧文明の流入なのだけれど、近代日本の知識人が…
フロイトが人間の芸術や学問の活動の原動力を、生の欲求ではなくなぜ性欲としたのかわかるようでよくわからなかったのだが、考えてみると人間の本能のなかで性欲は未知のものを求めさせるただ一つの欲求だったのだ。人類には性欲がインプットされていたため…
半年程前、年少の友人に誘われて、ミクシィを始め、日本近代文学についてとか演劇と小説の違いについてとか愛についてとか、かねて考えていたことを折にふれて書いてきました。 マイミクの日記に、性について書いてあったのに触発されて、日本近代文学の起源…